ファネル分析機能を使用すると、洞察力のあるファネルを簡単に特定し、設定することができます。この記事では、ファネルを設定し、データを分析し、ファネルのコンバージョン率を向上させるために結果を踏まえて行動する方法をご紹介します。
ファネルは、プロダクトのクリティカルパスに沿ったユーザーフローをトラックする必要があります。各ファネルステップは、分析したいフロー内でユーザーが取ることができる個別のアクションです。
例えば、オンボーディングファネルを測定する場合、以下のイベントをトラックすることができます:
アカウント作成
→SignUpPage1
→SignupPage2
→登録完了
eコマースプラットフォーム場合、購入ファネルのトラッキングには、以下のような一連の流れが必要になります:
アイテムを閲覧
→カートに追加
→チェックアウト
→購入確認
これらの例は、ユーザーがどのようなパスをたどるのかわかっている場合に効果的です。ただし、プロットフォーム内で可能なすべてのナビゲーションルートを知ることは不可能です。特に、ユーザーが利用しているものは当初は直観に反しているように見えるかもしれません。
パスファインダー機能は、特定の開始アクションに続く、または特定の終了アクションに先行する、プロダクトで最も一般的に使用されるイベントパスを表示し、ユーザーが既に使用している代替ナビゲーションルートを見出すために有効です。
プロダクトがソーシャル要素を持つ音楽ストリーミングのアプリだと仮定しましょう。コンパスを使用した結果、最も重要なKPIであるリテンションと最も相関性が高いのは、音楽または動画検索
であることがわかりました。重要な焦点は、ユーザーにより早く検索させるにはどうすればいいかを見極めることかもしれません。次のステップでは、ユーザーがこのイベントをトリガーするまでの様々な経路を理解することで、その行動を促すことが出来るようになります。
まず、そのイベントで終わるフローを分析することで、音楽や動画検索
がトリガーされる直前のユーザーの行動の理解に努めます。音楽や動画検索
の直前には、お気に入りの曲や、お気に入りの動画
が最もよくトリガーされるイベントであることが分かるかもしれません。
これを反対方向から見ることもできます。音楽の検索を行った直後にユーザーがトリガーするイベントはなんでしょう?この質問に答えるには、そのイベントを起点としたフローを構築します。
ファネル内のイベントの正確な順序の重要性ユーザーが一定の時間内にすべてのイベントをトリガーしただけで十分なのでしょうか?それとも特定の順序で行う必要があるでしょうか?
ファネルを設定する際、任意の順序モードとこの順序モードのどちらを使用するか決定する必要があります。前者は、1日から90日の間でコンバージョン期間を設定でき、どのような順番でもファネルステップを期間内にトリガーした全てのユーザーをコンバージョンしたとしてカウントします。後者の設定では、ユーザーが正確な順序に従ってイベントをトリガーした場合にのみ、コンバージョンとしてカウントされます。このモードでは、コンバージョン期間がかなり短くなる可能性もあります:最短で1秒に設定することもできます。
詳細は、Amplitudeでのファネル分析構築に関するヘルプセンターの記事をご覧ください。
特定のユーザーにプッシュ通知を送り、楽曲を再生させると仮定しましょう。一方、多くのユーザーが、友達の追加
、音楽または動画を再生
、プレイリストに追加
をそれぞれお互いの近くでトリガーしていることがわかりました。プッシュ通知を送信することで、実際にそのユーザーが友達を追加する可能性がさらに高まるかどうかを理解する価値もあるかもしれません。もしそうならば、それは優れた洞察であり、プッシュ通知が他の主要なKPIに補完的な効果をもたらすという仮説を検証することにもなります。
ファネルコンバージョン期間の意味論についてはこちらをご覧ください。
この最初のファネルでは、「任意の順序」ファネルを作成します。ユーザーが必要なアクションを全て行ったかどうかだけが重要で、ユーザーが行った順番は重要ではありません。また、友達に追加
やプレイリストに追加
を最初にトリガーする人が多いかどうかはまだわかりません。これらの4つのイベントを一緒にトリガーするユーザークラスターが存在するかどうかを判断するために、両方のユーザーを取り込みたいと考えるでしょう。
言い換えれば、この最初のファネルは、この仮説がさらなる検証に値するかどうかを判断するためのものになります。
コンバージョン期間を次の4つのアクションを実行するのに適切な時間である1日に設定します:
プッシュ通知を受け取る
→音楽または動画を再生
→プレイリストに追加
→友達に追加
設定が完了すると、ファネルはこのようになります:
そしてこれがファネルの結果です:
このファネルのコンバージョン率は78.6%で、これはファネルに入った全ユーザーの78.6%が1日以内に4つのアクション全てを行ったことを意味します。これは強力なコンバージョン率であり、さらに分析したくなるほど興味深くはありますが、それだけでは実用的な情報は得られません。
次に、このファネルの2つの異なるユーザーを比較してみましょう。プッシュ通知を受け取ってから楽曲を再生したユーザーと、通知を受け取っても楽曲を再生しなかったユーザーを比較することができます。ゴールは、プッシュ通知を通してより多くの楽曲を再生するように促すことでユーザーの友達ネットワークをより早く拡大できるかを確認することです。
ユーザーリストの取得には、プッシュ通知
を受け取る→音楽や動画を再生
の設定で2番目のファネルを構築します。
このファネルはプッシュ通知を受け取り、受信後5分以内に楽曲を再生したユーザーのリストを生成します。この場合、イベントの順番が重要になりますので、「この順番」モードでこのファネルを算出してください。
下の画像はファネルの結果を示しています:
前述の二つのコホート(プッシュ通知を受け取った後、楽曲を再生したユーザーと再生しなかったユーザー)を作成するために、マイクロスコープを使用してこのファネルからコンバージョンしたユーザーのコホートを作成します。次に、そのコホートに「プッシュから楽曲を再生」と名前を付けます。
ここで最初のファネルに戻り、ファネルをセグメント化して2つの異なるユーザーコホートを比較します:「プッシュから楽曲を再生」コーホート(ブルーセグメント)とそうではないコホート(グリーンセグメント)の2つです。
言わずもがなの結果です。
プッシュ通知を受け取ってから5分以内に楽曲を再生したユーザーの75.5%は、1日以内に楽曲または動画の共有
と友達を追加
の両方をトリガーしました。これはプッシュ通知から楽曲を再生しなかったユーザーに比べて119%高い数字です。
つまり、ユーザーが a)プッシュ通知を受け取り、b)通知を受け取った後で少なくとも1曲を再生した場合、友達を追加
をトリガーする可能性は2倍以上になります。
次に経時的なコンバージョンの傾向があるかどうかを確認し、音楽や動画を再生
イベントのプロパティ分布に重要なインサイトがあるかを見てみましょう。音楽または動画を再生
の楽曲ソース
イベントプロパティにおいて、オンデマンド
、ラジオ
、プレゼントとして受け取った
、の寄与度は同程度のようです。
全般的に、プッシュ通知を受け取り、5分以内に楽曲を再生したユーザーは、友達を追加する可能性が3倍高いことがわかっていますが、(再生する楽曲のタイプに対する)プロパティのソース分布や、経時的なコンバージョンからの重要なインサイトは見つかりません。
次のゴールは、より多くのユーザーにリピートしてもらい、さらに友達を追加してもらうという、このシナリオにおける主要なKPIであるリテンションと相関関係にあるリテンションループを構築することです。
ファネルに戻り、マイクロスコープ機能を使用して、プレイリストに追加
や友達を追加
のような重要なポイントでファネルから脱落したユーザーのコホートを作成し、対応するアクションを実行するようにメッセージを送ります。
社内のメッセージングプラットフォーム、 またはUrban AirshipやKahunaなどのAmplitudeのプッシュ通知パートナーのいずれかを使用して、これらのコホートにメッセージを送信することができます。
この記事がAmplitudeのファネル分析を最大限に活用する方法を理解する一助となれば幸いです。ファネルは、パスファインダー、コンパスチャートなどの他の機能と組み合わせて使用することで、信じがたいほどのインサイトをご提供することが可能になります。
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