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NTTドコモが、AIを活用したカスタマーエクスペリエンスの提供を拡張した方法

日本最大の携帯電話会社は、セルフサービスのダッシュボードからAIエージェントに移行し、1億人のユーザーのカスタマージャーニーを改善しています。
Customers

Feb 17, 2026

5 min read

Chris Van Wagoner

Chris Van Wagoner

Former Director, Customer Advocacy and Community, Amplitude

NTTドコモの特徴

1億人以上の顧客にサービスを提供するということは、あらゆる製品の決定が国全体に影響を及ぼすことを意味します。日本最大の携帯電話会社であるNTTドコモでは、オンボーディングを1つ改善するだけで、何百万もの体験を変革することができます。しかし、そのような規模では、顧客の期待を満たす機会をどのように迅速に見つけるかという課題が残ります。

NTTドコモが取ったアプローチは、セルフサービス分析からAIエージェントを活用したアクションへの移行という、大企業に共通する転換点を示すものでした。同社がたどった道のりは、静的なダッシュボードから動的で継続的なカスタマーインテリジェンスへの移行を目指す組織にとって戦略的なプレイブックとなります。

基盤:全チームが行動分析にアクセスできるようにする

ドコモではデータが足りなかったことはありません。ほとんどの大企業と同様に、データが多すぎる状態でした。

同社が電気通信から、決済、銀行、コンテンツ、ライフスタイルサービスへと事業を拡大するにつれて、カスタマージャーニーは当然ながらより複雑になっていきました。1人の顧客が1週間に5つのサービスを利用する可能性がありました。その場合、それぞれ異なるグループが提供するサービスであるため、それぞれが異なる方法で測定されます。

「Amplitudeの導入前は、膨大なデータプールからインサイトを引き出すには、高度な専門知識が必要でした。チームはアナリストの分析を待つか、一部の専門家に頼らなければならなかったため、データから行動に至るまでにボトルネックが生じていました」

Takashi Suzuki

NTTドコモ、データプラットフォーム部長(シニアバイスプレジデント)

明確性の欠如はドコモにとって問題ではなかったものの、照合作業の効率を改善する必要がありました。この葛藤は、企業のリーダーシップにとってはよく知られたものです。分析を一元化すると実行が遅くなる可能性があり、アクセスの民主化を行うと混乱やデータの整合性の問題が発生する恐れがあります。そのため、ドコモは、どちらの優先事項にも対処できる代替案を選びました。

ステージ1:共有された行動言語を作成する

最初に行ったのは、AIを使い始めることではありませんでした。足並みをそろえることでした。

ドコモは、製品、マーケティング、オペレーションのユーザー向けにAmplitudeを導入することから始めました。その目的は、より多くのレポートを生成するためではなく、チームが同じ定義、指標、行動の観点から運用を行っていることを確認するためでした。

「Amplitudeのおかげで、NTTドコモは1,000人以上のアクティブユーザーにセルフサービス分析の提供を拡張し、キャンペーンの効果を分析するのに必要な時間を大幅に短縮できました」と、NTTドコモ、データプラットフォーム部門の部長である鈴木敬氏は述べています。「Amplitude AIエージェントを使用することで、チームは既存のダッシュボードから直接スムーズに分析を行えます。これにより、コンバージョン率を向上し、獲得コストを削減しながら、より迅速に動くことができます」

ドコモが次に行ったのは、行動データを組織全体の共有言語にすることでした。

  • 分析の民主化:Amplitudeを使用することで、ドコモ全社の数百人の内部ユーザーがファネル、コホート、ジャーニー分析に直接アクセスできるようになりました。
  • 意思決定のための共通言語:製品マネージャー、マーケティング担当者、データチームは、サービス全体の変更について議論し、優先順位を付けるために同じ行動指標を使用するようになりました。
  • 実証済みのビジネスへの影響への重点:チームはオンボーディング中にAmplitudeを使用し、コンバージョン率を約2%から16%に向上させると同時に、獲得コストを大幅に削減、さらにインサイトから行動までの時間を短縮しました。

製品チームは、ファネルと離脱を個別にすばやく分析し、アナリスト待ちのボトルネックを解消することで意思決定を迅速化することに成功しました。コンバージョン指標が統一されたことで、マーケティングチームと製品チームの連携も取れ、結果としてコラボレーションが効率化され、ミスマッチを最小限に抑えられました。

最も重要なのは、同社がデータに対する信頼を再び構築できたことです。エージェントの導入後、ドコモは一貫性のある信頼できる情報に基づいて事業運営を行えるようになりました。

ステージ2:監視がボトルネックとなるエリアにAIを適用する

セルフサービス分析が標準化されるとすぐに、新たな制約が浮上しました。それは認知負荷です。

セルフサービス分析の導入により、ドコモは最初のスケーリングの課題を解決し、行動に関するインサイトをより多くの社員に提供できるようになりました。次のボトルネックは、より軽微ではあるものの、同じくらい重要なものでした。それは、人間の注意です。

たとえ最高のダッシュボードであっても、誰かが以下の作業を行う必要があります。

  • 定期的にダッシュボードを確認する
  • 何が変わったかに気づく
  • なぜそれが起こったのかを解釈する
  • チーム全体で対応を調整する

ドコモの規模だと、このようなループが成功への厄介な障壁になる可能性があります。

ドコモの地域支社は、既存のダッシュボード上にエージェントを配置して試験的に運用し、Amplitudeがこのリズムをどのように変えることができるかをテストしました。この方法の場合、マーケティング担当者は、レポートを取得して手動でグラフをまとめるのではなく、自然言語で質問をして、エージェントに次の作業を行わせることができました。

  • 関連するデータポイントをスキャンする
  • キャンペーンのパフォーマンスを要約する
  • 異常な動きと考えられる原因を強調表示する

それまでマーケティングサイクルにおいてレポート中心で時間かかっていたステップが、迅速かつ反復可能なプロセスになりました。これらの設計上の選択は意図的なものでした。チームは既存のダッシュボードと指標を担当エリアにおいて引き続き利用し、AIが統合処理を担当します。ワークフローをそのまま維持できたため、摩擦が軽減されました。

「Amplitude AIエージェントを利用することで、ある地域拠点ではキャンペーン分析時間を90%短縮できました」

Takashi Suzuki

NTTドコモ、データプラットフォーム部長(シニアバイスプレジデント)

この試験的な取り組みにより、AIによって実績のあるワークフローを置き換えるのではなく、それを短縮した場合に価値を得られるという原則が明確になりました。

ステージ3:AIを実験ではなくインフラストラクチャとして扱う

AIによる運用上の価値が実証された後、ドコモは同規模の企業が直面する課題に直面しました。それは、管理されていないデータの急増です。

同社は、社内ですでに行っていた方法に合わせて2つのガバナンス上の決定を下すことで、この問題を回避しました。

1つ目の決定は、エージェントを並行プロセスとして分離するのではなく、既存のレビューサイクルに組み込むことでした。データプラットフォームチームは、エージェントを使用してダッシュボード間の調査を実行し、以前は手動での詳細な調査が必要だった週次サマリーを生成し始めました。こうして、AIによって生成されたインサイトが、人間による分析と同じ検証および議論のプロセスに組み込まれました。

2つ目の決定は、ドコモがエージェントの初期設計パートナーとなることでした。その目的は、機能に早期にアクセスするためではなく、エージェントが企業規模でどのように動作すべきかに影響を与えるためです。

コラボレーションと履歴を重視した同社のフィードバックにより、プロンプトと分析をチーム全体で信頼し、再利用できるようになりました。また同社は作業グループが派生指標を絞り込めるよう、説明可能性が求められる、AIを活用した指標定義を推進し、推奨事項の調査および検証を行えるようにしました。

このようなガバナンスの方針により、AIツールが新たなサイロとなり、解決すべき断片化が新たに生じるという一般的な失敗のパターンを回避することができました。

ステージ4:地域に合わせた意思決定を行う

最後のステップは、多くのグローバル企業が過小評価している現実に対処することでした。AIは、現地のワークフローに適合した場合にのみ価値を維持します。

ドコモにとって、それは言語とコンテキストを意味しました。製品チームとUXチームは主に日本語で作業するため、AIを活用したセッションリプレイのサマリーは、出力後に翻訳を必要とせず、日本語で明確かつ実用的なものでなければなりませんでした。

また、定量的シグナルと定性的シグナルの統合を強化する必要もありました。セッションリプレイでは、チームがすぐに行動を起こせる形式で、ユーザーが何をしようとしていたのかを、ユーザーが離脱したポイントに結びつける必要がありました。これにより、チームは一元化された解釈を待つことなく運用できるようになりました。

このアプローチは、「ツールはチームの働き方に適応すべきで、その逆ではない」という、ドコモ全般の経営理念を反映しています。

転用可能な運用フレームワーク

ドコモの運用計画は、他の企業にも適用席る構造を概説するものです。

  • まずAIを導入する前に、共有された行動基盤を確立します。チームがデータを信頼していない場合、そのデータ上に構築されたAIを信頼することはないでしょう。
  • AIを導入する際は、アクセスではなく、注意が制限要因となる特定のワークフローの制約を対象にします。限定された環境で価値を証明しましょう。
  • AIの適用範囲を拡大する際は、インフラストラクチャとして管理しましょう。最初からコラボレーション、説明可能性、検証を組み込みます。
  • AIを運用する際は、徹底的に地域に合わせましょう。言語やワークフロー、文化的背景によって、ツールが使用されるか無視されるかが決まります。

この取り組みには、明確な意図と忍耐力、明確な成功指標、そしてビジネスチームとプラットフォームチーム間の緊密なパートナーシップが必要です。その見返りは組織に特有で、非常に大きなものとなります。

NTTドコモの事例が重要な理由

AIエージェントを評価する企業のリーダーにとって、ドコモの経験は出発点を見直すきっかけとなります。

ドコモのような規模の企業の場合、競争上の優位性は、インサイトが行動から戦略的行動に移行する過程において一貫性を維持できるかにかかっています。リーダーにとっての重要な教訓は、規律ある実行、明確なコミュニケーション、そして焦点を絞った意図によっていかに成功が促進されるかをドコモの経験が実証していることです。

持続可能なオペレーショナルエクセレンスは、大規模な顧客基盤にとって最も重要です。このような組織では、一貫したプロセスと真のイノベーションが相まってインパクトをもたらすのです。

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